ユカートマン

カミーユ、恋はふたたびのユカートマンのレビュー・感想・評価

カミーユ、恋はふたたび(2012年製作の映画)
3.8
25年連れ添った旦那と別れることになったカミーユがパーティーでやけ酒を飲んでたら意識を失い、目が覚めたら40歳の容姿のまま旦那と出会った15歳(80年代)にタイムスリップし、旦那と''ふたたび’’出会う話。

中年のやつれた容姿のまま青春をやりなおす、というありそうでなかった設定。おばさんがティーンたちに紛れてるもんだから、高校生とのベッドシーンで男の子を触りながら「肌がスベスベ〜泣」というおばさんの切なさも半端ない。旦那との出会いのやり直し、母親の死、物理教師とのロマンス、ストーリーの軸はブレブレで勿体無い気がしたが、それでも「変えられない過去を受け入れる勇気を持て」という強いメッセージや、見終わった後の無力感もたまらなかった。ファッション映画として観る分には最高。

余談が音楽の話をすると、私の中でロックは70年代後半のパンクムーブメントで一度終焉を迎え、その後90年代にブリットポップやアメリカのオルタナ勢がロックを蘇生してくれたという認識であり、80年代は暗黒の時代。スミスやニューオーダーを熱く語れないし、この時代のメインストリームであるテクノやポップスはその底なしの明るさが根暗な自分は惹きつけられず、なんとなく敬遠していたのだが、この映画が最高だったので陽気でバカっぽい80年代と仲直りができた。RIPジョージマイケル
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