どらこ

カットバンクのどらこのレビュー・感想・評価

カットバンク(2014年製作の映画)
3.2
閉鎖的な田舎町で起きた狂言殺人のお話。

カップルがホームムービーを撮影中、郵便屋のジジィが殺害される瞬間を偶然撮影してしまったという展開から始まる。
実は郵便屋も殺人犯も撮影していたカップルも共犯で、大金が入った荷物を手に入れるのが目的という流れ。

割と面白そうな展開だけど、これが狂言殺人だという事がこの映画のどんでん返しではなく、
割と序盤からわかるので意外だった。もっと引っ張るかと思った。


狂言殺人だから誰も死なずに円満にコトが運ぶはずだったが、徐々に破綻し、
犠牲者が増えていく泥沼にはまっていくような展開が中々良きだった。


ただ主人公サイドの計画がかなりガバガバ。
殺され役のジジィは割と自由が効く環境で隠居してたり、
犯人役をかなり特徴のある男に任せたり(背が高く長髪のインディアン)、割と人が立ち寄る小屋に潜伏させたりと、
ところどころ雑い。

内容自体はまぁ普通の映画で、2回目もみたいかと言われれば見たくはない作品。
ほんとTHE普通って映画だったけど、ダービーっていうキモオタクソメガネの演技がかなり秀逸。

彼は間違いなくマジモンの精神病患者。
目の焦点が合っていない。人と話すとき目を合わせられない。どもり癖。もそもそ喋る。常に俯く。すぐにキレる。キレたら何でもする。
こういう奴が一番怖いし、何をしでかすかわからない。言葉にできない恐怖が押し寄せてくる。

しかもこういう奴クラスに2人くらいは必ずいるからな….



彼の演技だけでも見て欲しい作品でした。
どらこ

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