2021.02.20
今では「ファースト・ラヴ」「サイレント・トーキョー」やドラマ「この恋あたためますか」などで大人気の中村倫也。
最近の前髪を上げてできる男な感じでも前髪を下ろしてふんわり包み込んでくれそうな男の感じでも少し前の個性的な演技をする感じでもなく、今作では短髪の超正統派で若手感さえ醸し出していました。
廃墟となった「星ガ丘ワンダーランド」で女性の遺体が発見される。
その女性の息子でありワンダーランド最寄駅の落とし物預かり所で働く温人は日々の仕事の中、母の死を知り、過去に家を出て行った母が再婚した相手との家庭・清川姉弟と出会いながら過去の記憶に思いを馳せる。
中村倫也の静かな演技と今作の柳川監督が放つ独特な光彩の画、そして田舎の情景がとてもマッチしていた作品でした。
登場人物に関しては、温人は丁寧に描写されていて考え方などが理解しやすかったのですが、他のキャラの描写が薄く、感情移入がしにくかった印象です。
ストーリーとしては、サスペンス要素は薄く、あくまで温人の視点で過去から現在に至るまでの思考過程が描写されていました。
温人の母と温人の関係性は物語上で伝わってきたのですが、それにしても清川家の関係も薄いし、彼女自身の人となりも物語上の描写だけでは自己中心的な性格しか伝わって来ず、どうしても良い母というイメージには繋がりませんでした。
