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ザ・サークルのNMのレビュー・感想・評価

ザ・サークル(2017年製作の映画)
3.0
周りの大勢とは違う考えを持ち行動を取りたくてもそれが許されない理解されない状況という、ホラーとも言えそうな恐怖。
ただ、本作はただの有名ホワイト企業に就職したつもりがそれだけで済まなくなった人と巻き込まれる人たちの物語。
明らかな恐怖というより、おかしいことに気づかない、または気づいているけどつい目を背けるという、他人の恐怖と自分自身の恐怖の二つが見どころ。
果たして結末は~というよりは、観客に問題を提起するような作品。


憧れのSNS企業「サークル」に優秀な成績で入社したメイ。アメリカのほとんどの成人は参加しているサービス。世界の最先端をいく技術、思考、人材が揃っている。

毎週あるカリスマ経営者のスピーチを聞いてみると、世界のどこでもバレずにライブできる技術についてだった。

さらに、休日の趣味、親の持病など、事細かにSNSで共有することを求められた。その会社だから当然でもあるが、それに参加しないと自己肯定感が低いのではとか謎めいているとか言われてしまうのでほぼ強制。

社宅に住み込み、実家に帰る時間もなかなか取れない。休日はちゃんとあるのかもしれないが実際は拘束されているようなもの。
説明なく体内センサーまで飲まされてしまった。即座にそのデータは共有される。やった方は完全に善意だし実際にそれにより助けにもなった。だが誰も社内プロダクトに疑問を持たず反対されるはずないと思いこんでいる。
サークルは、政治家のemailはリアルタイムで全世界に公開、犯罪から守るため子どもの骨にチップを埋め込む、など歯止めが効かない。

そんななか知り合った社内の男性と気が合ったが、彼はこの社内システムを開発し表舞台から姿を消したはずの有名なタイラーだった。タイラーはシステムが想定していない用途で使われたことに辟易し、全てを共有する文化に疲れたのだと言う。

地元の友達に、メイは変わってしまったと言われ喧嘩。悲しんだメイはカヤックで禁止領域に入るが、それも共有されていたため命が助かった。
それまでやり過ぎだと感じていたメイは、秘密を作らなくていいことに心地よさを感じるようになる。
メイは社内プロジェクトで自分の生活全てを完全透明化する一人目に立候補。メイは積極的にサークルを推し進めていく。

しかしやがて最悪の事故も起こり、そもそも完全に情報共有するのがなぜ自分で経営者たちじゃないのかという矛盾に気づく。
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