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光のノスタルジアのodyssのレビュー・感想・評価

光のノスタルジア(2010年製作の映画)
2.0
【漠然たるイメージと抽象的な言葉の羅列】

チリのアタカマ砂漠。
宇宙観測の天文台が設けられている。
けれども、同時に、チリの独裁政権に殺戮された犠牲者の死体が多数捨てられている場所でもある。

砂漠の風景、広大な宇宙への憧憬、そして独裁政権の残虐さが同居する場所を凝視して作られたドキュメンタリー。

・・・なので、期待して干渉したのだが、失望。
漠然としたイメージの世界で、中途半端な内省の言葉だけが響いている、
つまり、具体性に欠けているのである。天文台での観測で何が分かったのか、独裁政権の大量虐殺はどういう契機でどのようにして進行したのか、といったことは何一つ出てこない。

なので、無駄な時間を過ごしたという気持ちで映画館を後にした。

このドキュメンタリーは2部作で、当初は続編の『真珠のボタン』も見に行くつもりでいたのだけれど、やめにした。
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