Scratchy

明日は咲こう花咲こうのScratchyのレビュー・感想・評価

明日は咲こう花咲こう(1965年製作の映画)
4.0
いかにも仕事帰りって感じのビアガーデンで小百合と中尾彬。意気揚々と都会から田舎へ、電車で食べる弁当がデカい。ものすごい排気ガスのオンボロボンネットバスにづらづら甲州弁の噂話、ガッペイ派とカンコウ派の争いに巻き込まれ、健康的に黒く光るケンちゃんと爽やか三田明との板挟みにもなりそうな予感、頭頂部までいやらしい金子信雄には強い酒で酔わされて夜這いされるも音楽は爽やかミュージック、先が思いやられるヒメトラ村へ派遣された保健婦の小百合。政治に巻き込まれたくないとは言いつつさっそく村の上水管理に口出し、牛小屋で寝る孤児の頭師くんを目にすると自分ちに引き入れ、民間信仰ソンドー教の儀式に割り込んでその子もさらう、首突っ込みすぎ堂にいる吉永小百合の独善。やる気皆無の垂水悟郎は非協力的だし、酔い覚ましに手桶に顔突っ込む酔っ払い産婆の武智豊子には邪魔したら監獄行きにしてやると脅されるし、子どもたちにまで歓迎されず、根をあげて打ちのめされた小百合を訪ねる中尾彬が瞬時に事態を察してやっぱり俺来て良かったなって台詞、ここだけ妙にかっこいい。けどすぐ帰る。ビアガーデンの賭けは彬の勝ち。ハンディ扇風機の伊藤雄之助は村人を知恵なんて動物ほども持っていないうじ虫どん百姓呼ばわり、赤痢を報告させないために村の電話線を切るなんて相当な悪党っぷり、登場したとき瞬間移動してたけどホンモノなのかな?乗り回すチャリはサン號自転車。さすがの小百合も政治宗教ハラスメントに挫けそうになるも赤痢騒動では大活躍、ごめんなさいが言えるようになる。てかてかした頬と満足そうな顔。手のひら返した村人の笑顔がもはや夢のようなわざとらしさで、二派の仲もケンちゃんと三田明の軋轢も解消されて、頭師くんにも優しくなり、武智さんのアル中まで治って、結局村ごと治療した小百合。Y字路を分かれる東京に戻るオープンカーとどこへやら次の田舎へ向かうバスで終わり。
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