爆裂BOX

D.N.A.リローデッド ドクター・モローの館の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

2.8
兄を探すボクサー崩れの青年エリックは、怪しいストリッパーの存在を知り、雑誌記者のマリアン、兄の恋人ジュディスを伴ってそのストリッパーの後を追うが…というストーリー。
H・G・ウェルズの「ドクター・モローの島」をチャールズ・バンドが映画化したC級獣人ホラーです。「D.N.A.」シリーズとは関係ないですが、モロー博士関係ない他のシリーズと比べるとまだ、「D.N.A.」名乗る資格はあるかな。
エリックはストリッパーアリアナに入れ込んで彼女に無理やり迫ろうとしたギャングの頭部をアリアナが素手で貫通させて殺す現場を目撃し、後を追って元精神病院跡の館に忍び込むも、そこは遺伝子操作実験で獣人を作り出していたモロー博士の実験場だった、という内容です。
本作に登場するモロー博士はかなり情けない設定で、獣人たちの創造主ではあるけど、今では獣人たちに脅されて足枷つけられて、彼らを完璧な人間の姿にするため攫ってきた人間への実験を強制させられているという設定です。元に戻せるのは博士だけなので殺されてないだけという設定で、何とか博士自身も逃げるチャンス窺ってたりします。ただ、獣人創造したことや攫ってきた人間への実験に微塵も後悔感じてないっぽい辺りマッド・サイエンティストではあるんですが。まあ、元凶でい一番悪いのは結局モロー博士だなとは感じますね。
登場する獣人は4体ですが、博士が最高傑作と称するレオバードと掛け合わされたストリッパーのアリアナは手が獣な以外は完全に二元の姿で、実質獣人はナチスと豚を掛け合わせて作られたリーダー自称するギャラガーとクーガーとハイエナ掛け合わせて作られたレザーフェイスっぽいピーウィー、モロー博士の助手勤めてた香港人のパク博士の娘ゴルガナの三体だけですね。そのメイクはチープだけど、時代設定が1930年代というのも合わさってレトロな怪奇映画の感じ出してたと思います。ゴルガナのメイクは特に気色悪さ出てました。
話的には獣人たちの心の葛藤や、エリックがアリアナのお気に入りになった事で獣人たちの関係が変化していく所がメインなのでモンスター物として期待したらガッカリすることになっると思います。豚人間ギャビンがアリアナに恋するも相手にされずにお気に入りになったエリックに嫉妬したり、何とか娘を元に戻そうとモロー博士を脅すパク博士の苦悩なども描かれますが、アッサリしたものでドラマ的に深みがある訳ではありません。ギャビンも悲哀感じさせるシーン挟んだと思ったら、脱出を餌にヒロイン脱がせてエッチしたりと下劣なクズではありますし。
エロ描写ちょっと多めなとことか、ちょっとグロい描写ある所はチャールズ・バンドらしいと感じさせたかな。
関係が変化したことで獣人たちが殺し合ったり、エリック達も脱出する為に獣人たちと戦ったりしますが、戦闘しーんも演出が淡白なので盛り上がりに欠けます。獣人たちもアッサリ倒されますし。逃げてた女たちがアッサリ捕まってたり描写不足なシーンもチラホラ。
エリックは主人公でボクサー崩れの設定の割には、戦うシーンや活躍するシーンあんまりないし、アリアナのお気に入りになってエッチしたり、牢屋に入れられたりしてるシーン殆どで最初から最後まで役立たずな印象。
甥はまあ皮肉な感じで嫌いではないかな。ここでもエリック呑んだくれてるし本当に役立たずな印象。
前述したようにC級映画ではありますが、この手の作品見慣れた人ならヒドすぎると感じることはあんまりないんじゃないかな。