ロエキエロ

殿、利息でござる!のロエキエロのレビュー・感想・評価

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)
1.2
藩主に声を掛けられて皆で喜ぶクライマックスがどうも納得できなかった。
この話の行きつく先は封建制の否定に尽きると思うのだが、散々苦しめられたのに藩主の直筆サインを有難がってどうするんだ…。
実話という体裁とはいえ藩主登場の下りは流石にフィクションだろうし。
それに散々冷酷非情な人間として描かれた萱野にしても、藩主のワガママのために金策していたのではなかったか。
その元凶である藩主が賢明な君主のように扱われていては話が成り立たないだろう。
結局終わりの方のナレーションでも「藩の都合で反故にされた」と言ってしまっている。
ダメじゃん。
ただ、冷酷な出入司・萱野と人情代官・橋本の人物像と対比は面白い。
武士とは主君のためか民のためか?という必死剣鳥刺しのようなテーマが感じられて、ここだけよかった。