フィギュアオタの友達が「羽生君が出てるから行こうよ」と誘われて観に行った。正直あまり期待してなかったけど思いの外良かったわ。
一応、史実に則った話らしく、重税に苦しむ宿場町の町人が仙台藩に大金を貸すことで毎年の利息で税金を賄う様に策略する、と言う話。
ここまでは予備知識として宣伝されてた。
ただ、この宣伝展開ではかなりコメディテイストな作品として紹介されてたんだよね。でもこれは本当に良い意味で裏切られた。
まさかここまでの人情喜劇だったとはね。
実際にコメディテイストも強い。というのも時代劇口調を完全に放棄して現代口調に割り切った。会話が軽快になりテンポも上がった。
多分今後は時代劇はこうなるんだろうね。耳慣れない言葉を中途半端に使用するよりよっぽど良いよ。
ただそれ以上に、宿場町の誠実さが本当に素晴らしかった。
阿部サダヲ演ずる商人に対し、瑛太がブレイン役になり、周りを説得して金を集める。いつしか情熱に動かされ宿場町も一つに成る。
阿部サダヲの弟役に妻夫木聡なのだが、これがまた自分を顧みず協力する。ココが泣き所その1。
一方で仙台藩も結構バカじゃない。金はないが、金を借りたら利息に苦しむことを知っている。ここで財政担当の松田龍平が、一計を案じる。この辺の腹の探り合いもとってもハラハラする。
攻防戦による結果に仙台藩の藩主もアッパレの賞賛。泣き所2。
この藩主に羽生君。カワイイし、中々演技派ですな。
てっきり馬鹿な役人が利息の罠にはまりテンテコマイする展開を予想してたよ。そういう短絡的な喜劇とミスリードを喰らってたので本当にヤラレタと思ったわ。
また、宣伝展開で“泣ける”要素を一切主張しなかったのも好感度が持てる。
時代にあった作品だとも思うし、マーケティングも上手だった。
それに今作に関して言えば邦画とは思えないほど広告展開も素晴らしかったと思う。