ひでG

或る終焉のひでGのレビュー・感想・評価

或る終焉(2015年製作の映画)
3.7
DVDのパッケージやポスターなどはよく見かけていた。
ここに写っている男女は抱き合っているカップルかと思っていたが違ってた。

介護士のお話。ティム・ロスが演じている。
短い作品だか、その中のかなりの部分は、ティム・ロス演じるディヴィドが介護をする場面が淡々と映される。
ティム・ロスというと、タランティー作品から殺し屋、裏家業の印象が強いが、名優はどんな仕事もはまり役にしちゃうねえ〜
聞くところによると、ティム・ロスが今監督ミシェル・フランコの「父の秘密」を観て、ぜひ自分を出してくれと直訴したとのこと。

寡黙で感情を殆ど表さないというか、人とのコミュニケーションが苦手(娘に声をかける時も、危ない人にも見えちゃうぐらい)
だけど、仕事は黙々とやる。どんなきつく、汚い仕事でも表情ひとつ変えない。

そして、ただ与えられたことをやるだけでなく、患者さんのメンタル面もケアしているのもプロの仕事ぶりだ。

プロは、患者さんの死に遭っても、感情を乱すことはない。

映画の中で、デヴィッドは仕事上で疑われてしまうが、劇中の彼は不条理な疑念に対しても淡々と対処する。
あまりにも彼が静かなので、大した事じゃないように見過ごしてしまいそうになったが、
デヴィッドに任せっきりにしたくせに、、💢
と、こっちが代わりに怒ってしまう。

ことさらに語らない主人公と作り手。ここから何を考えたらいいのか、あの終わり方も含めて掴めなかった。

ひとりひとり人生の終わり方は違う。たくさんの道のりを歩んできた最後の直線、後はゆっくりと感謝と思い出に浸ってゴールテープを切るだけだと思ったら、そこからが人生最大の試練の険しい道が待っている。老いや病、忘却など、神はかくも残酷な最期の道を用意するのか。
その苦しみを少しでも和らげる、そんなディビッドの仕事は神々しくさえ感じた。

このレビューも閉め方が難しい。終わりはいつ始まるか、、分からない、、(この映画観た人には伝わったかな?😅)
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