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蜜のあわれのodyssのレビュー・感想・評価

蜜のあわれ(2016年製作の映画)
3.0
【とりとめのない印象が残る】

原作は室生犀星晩年の小説だそうだが、私は読んでいない。

戦後間もない頃の、金沢を思わせる地方都市。老作家(大杉漣)は妄想の中で金魚が変身して現れた少女(二階堂ふみ)と暮らしている。
この映画は、二人の愛憎関係や、出くわす事件や人々などをいくつかのエピソードに分けて描いている。

二人以外では、かつて老作家と関わりを持った女(真木よう子)が幽霊として登場する。
高良健吾が芥川龍之介役で出てくるのも面白い。

赤い金魚風の服を着て、少女性や女っぽさを表現する二階堂ふみがこの映画の中心になるわけだが、彼女は真木よう子と並ぶと女としての魅力・美貌度でやや劣っていることが分かってしまうので、キャスティングはどうなのかな、という疑問も湧いてくる。

あまり起承転結を明瞭にせずに話は進み、それはそれで一つの行き方ではあるが、鑑賞後どことなくとりとめもない印象が残るのである。
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