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故郷の便り/家からの手紙のeknのネタバレレビュー・内容・結末

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

大傑作。ラストに痺れた。
全てから均一な距離を保つカメラが、2度の電車内のシーンで印象的なショットを残す。1度目は、カメラを凝視した数人の乗客のうちの右手前にいた白髪の男が隣の車両に移る瞬間、“登場人物”になったかのように錯覚したショット。2度目はカメラを設置した車両と隣の車両の連結部分を活用した“動くフレーム内フレーム”。
母親から届く手紙は彼女を心配する内容ばかりで、『街をぶっ飛ばせ』のラストや、彼女自身の最期、作中で強調されるピンボケした光を思い出す。
雲と霧に包まれたニューヨークの街並みがほとんど輪郭を失うまで撮ってくれと願ったら、本当に15分くらいかけて撮ってて、どうかしてると思った。あれが彼女の死生観だと思う。故郷に帰るでも就職、大学転入でもない。この世との別れのイメージ。
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