トマト

故郷の便り/家からの手紙のトマトのレビュー・感想・評価

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)
4.6
音(自動車、電車等の乗り物)による母の手紙の阻害(存在の希薄化)、ぼやけていく声?そもそも観客は彼女の母親の声すらも知ることはなく終わってしまうが。
フランスにて拍動のように弱くなり強くなる親戚達の脈線と、対してニューヨークにて、混沌とした街の様子を放浪者のように捉える映像と音。
「友達がたくさんいると知り安心した」とか、手紙の一節から重く母親の心配を感じる瞬間が手紙の朗読のなかにあり、同時にそれは二つの距離、人間関係で築き上げられて行く確固とした差異でもあり、音によって掻き消されていく。
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