わか

シン・エヴァンゲリオン劇場版のわかのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっと待っていた作品だったけど、いざエンディングが近づくと、やっぱり終わってほしくない気持ちが強くなって、物語が終わったときの余韻が凄かった。

シンジとミサトさんのわだかまりが溶けたシーンなんてもう胸アツでした。。

個人的には、庵野監督のやりたいこと全てを詰め込んでたんじゃないかなと感じました。

そして、ずっと謎だったTV版・旧劇場版との繋がり、やっぱりループでしたね。
実際は描かれてないだけでエヴァの世界は何周もしていた訳で、旧劇場版はその数あるループの中の結末の1つだったんだなと。

更に言えば、そのループする世界のさらに外側に新劇場版を俯瞰で観ている世界がある訳で、そこからカヲル君が毎回それぞれの世界に舞い降りて、シンジを救済しようとしていたのかなと思った。

そして、その世界こそある意味私たちの暮らしている現実世界と同義って気がして、終盤の初号機と13号機の戦闘の際に色んな撮影セットを行き来するシーンが正にこの世界も誰かに造られた物語の中に過ぎないってことを暗に示してた気がした。

何周もした物語の数だけ、庵野監督が考えた世界があって、書いたり消したりを繰り返して、悩みに悩んだ末にようやくたどり着いた終着点だったんだと思う。

本作のシンジを観て、ようやくロボットアニメの主人公らしくなったじゃんって思ったんだけど、それこそがシンジの成長であり、何周もかけてジメジメしてクヨクヨしたバカシンジを抜け出した瞬間だったんだと思うと、四半世紀も待たされて、さすがに感慨深かった。

今回はゲンドウにもフォーカスが当たっていて、これまでゲンドウの視点で物語を観てこなかったけど、これを機にゲンドウ視点で物語を見直すのも面白いかなと。

これまでは、それぞれ思惑や信念、目的があってそれを元に行動していたから、ぶつかり合い、傷つけあっていたんだけど、今回は真に相手の意思を理解し、尊重したからこそ導けた結末だと思う。

全人類がLCLになって、心の壁が無くなった旧劇場版でもたどり着けなかった境地がこんな形で現れたのは驚きだった。

最後はそれぞれが正とする世界へ還っていったのかな…

正直まだまだわからないところも多いけれど、旧劇場版・序・破・Qで気になってた部分も大部分答え合わせをさせてもらった感じで、なんか不思議とスッキリした気分になりました。

自分は実質15年くらいの付き合いだったけど、本当に最後まで楽しませてもらった作品でした。
わか

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