だーじりんほらー

シン・エヴァンゲリオン劇場版のだーじりんほらーのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

さらば、全てのエヴァンゲリオン

エヴァシリーズの最後を飾る作品である今作は、大方の予想通り今までのすべてのエヴァ作品をつなげまとめる形となっていた。

しかしそんなことはどうでも良い!

ラスト、エヴァンゲリオンはすべて消滅し、シンジもマキという一人のヒロインを選び、他のヒロインは別の道を歩む。現実の宇部新川駅が映し出され(庵野の地元)、スーツを着たシンジがマキと共に走っていく。

このラストにはエヴァを卒業し、現実を踏み出して欲しいという庵野監督の願いがあるように思う。

旧劇場版のAirはオタクを突き放すようなラストであったと思う。きっとこの頃からオタクたちに現実を見て欲しいという庵野の希望があったのだろう

以前偉い人がアニメ会社は子供たちに甘い空想をみせ、お金を得ている。それは麻薬の売人のようだと発言し、炎上していた。私自身は分からなくもないと感じた。

この話を聞くとアニポケの最終回を思い出す。

アニポケは本来は 主人公のサトシがポケモンという空想から抜け出し、自分の道を歩み始めるという最終回だったようだ。しかしポケモンを長期的に存続させたい上層部に負け、今まで続いてるらしい。

この時の監督である首藤剛志氏はいつか卒業しないといけない虚構を子供に見続けさせることに抵抗があったようだ。

庵野監督も同じようなものを感じていたのかもしれない。

旧劇場版のAirはオタクを突き放すような作品であったが、今作は丁寧に現実を進むことの大切さが描かれていると思う。

いかにもアニメキャラらしい綾波が人間臭い農家の女性らと農作業をするシーンなんかとても印象的である。

エヴァンゲリオンという空想、虚構をではなく地に足つけて欲しかったのだ。

変わるをテーマにした今回は変わらなくて良いと結論付けたアニメ最終回と対照的だしループ者の最後としてもふさわしいと感じた

オタクブームの元祖であるエヴァ(火付け役とは言って良いはず)が時代に終止符を打ったように感じた。

さよなら、エヴァ
だーじりんほらー

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