このレビューはネタバレを含みます
「泣かないよ。涙で救えるのは自分だけだ。涙では誰も救えない。」
エヴァンゲリオン完結編を観てきました。
シンゴジラで庵野監督を知って観に来たであろう女性グループを唖然とさせる、エヴァを愛した人たちのためだけの映画でした。
そのため、映画としては1点。
でも、エヴァを愛した私にとっては100点の映画でした。
自分が良かれとして選んだ選択がすべて裏目に出て、初めて心を開くことができた友人、渚カオルを死なせてしまって終わった前作「Q」。
旧約とは違って、前向きに生きようという意思を持って新約の物語を動かしてきた主人公シンジにとっては耐えがたい苦痛だったでしょう。
そのシンジが再生し、父と向き合い、許し、仲間たちを癒していく終盤は、エヴァと共に歳を重ねてきた私には涙なしには見ることができませんでした。
冒頭のセリフは、シンジくんの成長の証。
この台詞を聞いた時に、涙に暮れてきた自分自身と向き合い、自分自身で乗り越えた姿には頼もしさしかありませんでした。
そして、最後のシーンで歳を重ねたシンジくんが、とある女性と交わした会話はモテる男の会話でしたね笑
この映画からエヴァンゲリオンに入ることは全くオススメしません。
テレビ版を見て、旧約の映画を見て、もやもやを抱えたままになっているすべてのエヴァファンにだけお勧めします。
ありがとう、みんなのエヴァンゲリオン。