しゅう

シン・エヴァンゲリオン劇場版のしゅうのレビュー・感想・評価

3.9
久々にみっしり詰まった客席で映画を観た。

途轍もない質量のアニメーションで描かれる凡庸な物語。

終盤の展開で、新劇場版に感じ続けてきた違和感の理由が漸く分かってくる。

旧シリーズと違い、新劇場版ではシンジ君は他者や世界と真摯にコミットしようとする真っ直ぐな少年で、だからこそ時に悩み深く傷つく。

そして、そんな彼を周りの異常者たちが「お前は駄目人間だ!」と責め立てスポイルしようとする歪な物語。

そんな最終的な大団円の為に無理矢理用意された受難劇には、ドラマを感じる事は出来ず。

自分としては、庵野監督がエヴァを改めて語り直すならば、他者や世界とコミットする術を持たぬまま大人となり父親となった碇ゲンドウの「君(ユイ)と僕と世界」そして「僕と彼(シンジ)」の物語をこそ描いて欲しかった。
しゅう

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