ひねくれはちゅう類

シン・エヴァンゲリオン劇場版のひねくれはちゅう類のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ
「オカンが有名アニメを見たっちゅうねんけど名前を忘れたらしいねん」
「ほなその特徴を教えてよ」
「なんか14才の少年少女の物語でロボットみたいなんに乗って使徒っていうモンスターと戦うらしいねん」
「その特徴は新世紀エヴァンゲリオンよ。ちなみにロボットでなく人造人間やで」
「いや俺もエヴァかと思ったんやけどな。オカンが言うには面白いアニメだったって言うのよ」
「ほなエヴァとちゃうかー。エヴァっていうのはね、青少年の敵こと庵野秀明がアニメも旧劇も雑な説明ぶん投げクソラストでなーんも理解できないままフラストレーションばっかりたまってもうほんと死ねよっていうアニメなのよ。ちなみにひねくれはちゅう類は、アニメ放映時に14才でリアルタイムで見てたからなおのことムカついたらしいで」




……って思っててすみませんでしたー!

てかエヴァは(嫌な)思い入れが強すぎる。特にオタクでもなかった僕だけど、なぜかリアルタイムで一話から見てしまったのが運の尽き。残酷な天使のテーゼが頭にこびりついて離れなくて、延々と流れるあの歌詞がうるさくてうるさくてしょうがなかった。おまけに見てるとクラスで言ったが最後、へんなオタクにめっちゃ絡まれて、「ねぇアスカとミサトさんのどっちで抜いてるの、ぐへへ」みたいな思春期特有のクソトークを聞かされるわ散々な目にあったのだよ。うるせー俺は綾波派じゃ!

それでもまだこのアニメが面白ければ救いはあった。でも、アニメ版ラストくそ、旧劇ラストくそ。このアニメのせいで日本には考察系ラストにすれば名作だと思ってる風潮が出来たように思う。くそが。つまり庵野は日本の敵、国賊といってもいいわけよ。

が、庵野が好きな特撮が僕が大好きな「決戦。怪獣対MAT」と聞いて一気に親近感。手のひら返し。お前はホントに分かってる男よ。そして超名作シン・ゴジラ。やれば出来るじゃねーか!

だからこそ、新劇は絶対に見たくなかった。もう裏切られるのはこりごりだったから。でも僕と同じ思いをしたという会社の経理の人の猛アピールでしょうがなく視聴。

……これは名作だー!てか(あくまでも庵野秀明にしては)死ぬほど丁寧な描写に度肝を抜かれたわ。

何よりあのお父さんの描写が丁寧すぎて、やっと、やっと人類補完計画の動機がわかった気がする。嫁さんに会いたいんじゃなくて、嫁さんにお別れを言いたかった。それがホントにしっくりきた。あと有能風超絶無能のミサトさんも最後の最後でよかったよ。人類の危機にヴンダーが無策で突っ込んで「バカな待ち伏せだと?」って言ったときには「目をさませ!」ってフルスイングで平手打ちかまそうかと悩んだけどそれはもう言うまい。

これだけでなく、なんかもういろいろと言いたいことはあるけれど、何よりもホントに良かったのは、これで庵野秀明と僕が完全に和解出来たのが最高の収穫。魂の和解と言ってもいい。
つまりは僕は綾波派でもアスカ派でもミサトさん派でもまきなみ?派でもなく庵野秀明派ということかもしれない。