開六出あむいずる

シン・エヴァンゲリオン劇場版の開六出あむいずるのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

正直エヴァファンでないとおすすめはできません。
面白いか面白くないかというレベルで話すのは間違っているんだけど、エヴァファンのための映画であってそれ以上の感動はないと思う。
「エヴァンゲリオン」というひとつの作品として膨大に広がっていた風呂敷を上手に畳んだなというイメージ長台詞で説明することも多かったし、登場人物の気持ちも全部言語化されてて作品としてはめちゃくちゃ分かりやすい。
しかしその説明くどい感じが仇となって独特の間の悪さテンポの悪さができてしまっていた。
最後だからと言えば仕方ないんだけど具体的には言わずに視聴者に察しさせる "語らない面白さ"というものが少なくて、そこまで言わなくても分かるよーもういいよーってなったところがあって終盤に失速した。
作品の2/3までは誰が見ても文句なしの神作品だとおもう。
そして自分も含めエヴァファン庵野秀明ファンからすれば100点満点の神作品
しかし映画として客観的な目で見れば手放しで評価はできない。
あと個人的に好きではない点は2点あるそれは「後出しジャンケン感」「背景を考慮すること」
シンエヴァでは最後に今まで名前すらも出てきたこともないものがでてきてそれで決着をつける。
私にはそれがミステリードラマでいままでまったく話に関与してなかったようなやっつが犯人だったような、、、肩すかしを食らった気持ちにさせられた。
最終的に好きなように言えば、今まで培った設定などを多少無視しても話を収めることができる。
まさに「後出しジャンケン感」をシンエヴァに感じてしまった。
あとこのエヴァンゲリオンという作品は庵野秀明の内面や人生そのものを描いている側面もある。
例えば劇中で2回しか出会っていないマリとシンジが最終的にくっつく訳なのだが、それも主人公のシンジが庵野秀明、マリが今の妻の安野モヨコと考えると理解できる。
しかし「背景を考慮すること」でやっと面白い作品は作品としていかがなものか?
[実はこのとき全く耳が聴こえて無かった]という事実を知らなくてもベートーベンの曲は印象的で締麗に聞こえる。
まったく背景を知らなくても評価できる。
良い作品ってそういうものじゃないかなと考えてしまう。。。