伝説的アニメ・シリーズの完結編。
ああ~そうだよエヴァってこんなことやってたよね~という部分が出てきて、ほんとに集大成にして終わりの一作という感じ。
過去作の伏線やらメッセージをしっかり拾っていくので、全体としては丸っこい印象。とがった感じは薄い。まあ最近の話題作・超大作って良くも悪くも八方美人につくるからこうなりがちだよね。
以下、ダラダラと…
アニメ業界に近づくと「オタクはアニメに逃げず、現実に向き合え!」みたいな言説がチョロチョロでてきて、それに最も囚われていたのがエヴァと監督の庵野氏だったのだと思う。
「アニメ作ってても彼女と上手くいかねえじゃん!」というのは人生の真理だろうし庵野氏が発狂した気持ちはわかる。とは言えアニメの魅力を否定しても仕方なくない?とはみんな思ってて、でも庵野氏は踏ん切りつかなくてエヴァを終わらせるのに25年もかかった・終わり方もああなったという気がする。
京アニや日常系アニメがこれだけ受けてるのを踏まえれば、「彼氏彼女の事情」の時代にそのおおきな視聴者層を取り込めたかもしれないのに、アニメが人を癒すのを認められないもんだからそれもできない→だからヒット作がでない・だからまたエヴァに乗らなければならない…などと書くと怒られるだろうか。まあ「シン・ゴジラ」はあったけど。
旧劇までの絶叫には圧倒されたが、基本的に創作物には享楽的なものを求めたい。だから本作のクオリティは認めつつ、それ以上言えることもない。伝説の終わりとは、得てしてこういうものなのだろう。テレビシリーズから25年たち、それくらいは分かるようになった。
さよなら、すべてのエヴァンゲリオン。