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アンナの出会いのkyokoのレビュー・感想・評価

アンナの出会い(1978年製作の映画)
4.2
彼女がブリュッセルで降りた列車はたしかMoscow発Paris行きだったと思う。戦争の爪痕をなぞるような道程でのいくつかの邂逅は、話しても歌っても身体を密着させても、誰とも繋がれず、行き場を失った心だけが延々と彷徨い続ける旅の中で、母親だけが娘の深い孤独を垣間見る。

アケルマン作品は初めてだけど、アンナに自身を投影させていることは明らかで、あまりの寄る方のなさになんだか居た堪れなかった。
無機質な肌触りの連続だったのに、後味はなんとも生々しい。


男やもめは何もかもがヘビー過ぎた。

ブリュッセル中央駅で降りると思わせて南駅で降りるという一連のカットはまんまとしてやられた感。
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