義民伝兵衛と蝉時雨

アンナの出会いの義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

アンナの出会い(1978年製作の映画)
4.6
イデオロギー、戦争、世界情勢の目まぐるしい変化
現代社会における女性にとっての結婚そして子育てとは
安住の地はたまたユートピアへの憧憬
同性愛者達の厳しい社会的立場
母親の不朽の愛情
資本主義社会が作り上げた高価な幸せ
鎖に繋がれた終わりの見えない労働生活
若き日の無限の理想と、死に向かうに連れて深まっていく諦念
人生の孤独と空虚さ
人間社会の不条理への倦怠
諸行無常や万物流転への悲哀

フレーミング、構図、明暗、長回し、長台詞、etc ...
厳格、洗練、極美、圧倒的、完璧主義。
これぞアケルマン映画の結晶とでもいうかのような内容。「ジャンヌ・ディエルマン」に続き恐るべき完成度の傑作。