Hideko

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中にのHidekoのレビュー・感想・評価

4.0
原題: Everybody Wants Some!!

リチャード・リンクレイター監督作品には『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』で初めて出会いその三部作はマイベストムービーの中に入るのですが『6才のボクが、大人になるまで。』と本作、そして監督のドキュメンタリー映画と観ていくうちに、監督がテキサス出身で野球選手として奨学金を得て地元の大学に進むも、病気の為野球選手としての人生を諦め、映画の道を選んだことを知りました。

スポ根ストーリーはものによるけれどどちらかと言うと苦手。自分が思い切り文化系だから😅

しかし本作はジェイクという、スポーツ選手ながら繊細な一面も持った主人公。甘いマスクは若きイーサン・ホークを彷彿とさせます。大学入学前のたった3日ほどの物語であり、リンクレイター監督は長いスパンの物語から本作のような数日の作品まで、お見事!と唸らざるを得ないですね。一見ただのおバカ作品に見えて実は綿密に計算し尽くされており、体育会系寄りながら文化系的側面も併せ持ち、そして誰もが戻ってみたいけれど二度と戻れない瞬間がキラキラと描かれた珠玉の作品と言えるのではないでしょうか。

監督作『バッド・チューニング』のその後の物語と言われるらしい本作を、配信期限の関係から先に観てしまいましたが、『バッド・チューニング』が楽しみです。

本作に登場する野球部の先輩たちが皆、髭面でヘアスタイルもファッションもどこかしら70年代のヒッピー感が見え隠れすると思ったら、時代設定は1980年。そう、80年代の幕開けでした。
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