こたつむり

ククーシュカ ラップランドの妖精のこたつむりのレビュー・感想・評価

3.8
♪ なけない女のやさしい気持ちを
  あなたがたくさん知るのよ
  無邪気な心で私を笑顔へ導いてほしいの
  ぎゅっと私をだきしめて

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
ということで一発目は笑えるコメディをチョイス…のつもりが、コメディ寄りのドラマでした。

でも、ある意味で新年に相応しいかも。
とある事情で、先住民族、フィンランド人、ロシア人が出会う物語。三人とも違う言語なので意思の疎通が困難であり、そのギャップを楽しむ作品なのです。

言葉が通じなくても気持ちは通じる!
なんて綺麗事を言うつもりはありませんけどね。それでも大切なのは“気持ち”だと思います。

他人を傷つけるのがイヤな気持ち。
他人に認められたいと思う気持ち。
大自然に畏敬を抱いてきた気持ち。
つまりは“自分一人で生きてきた”わけじゃないし、生きていけるわけじゃないんです。

それが世界共通の真理。
言語や政治や宗教が異なれど、人が人である以上、誰かを頼り、誰かを支えるシステムが必要。それを理解していれば、いつしか通じるものがあるのでしょう。

…なんて理想論を書きましたが。
正月くらいは甘くて淡い気持ちになっても良いんじゃないかなあ。

但し、本作は甘くて淡い筆致じゃないですよ。
劇伴は皆無に等しいし、指の先は土と油で汚いし、一瞬だけど×××が映るし、唯一の女性は本能に忠実で「アンガアンガ」と喘ぐし、綺麗に飾った場面なんてありません。

副題に『妖精』とありますけども。
これも何を言っているのか分からないレベルですので。大いに注意が必要です。

でもねえ。
ロシアで作られた映画なんですよねえ。
やはり、気持ち一つで世界が変わる…なんて考えたいですよねえ。

まあ、そんなわけで。
第二次世界大戦末期、フィンランドの片隅で起きた小さな物語。「よーし、パパ笑っちゃうぞう」なんてスタンスではなく、期待値低めで臨んでください。
こたつむり

こたつむり