Ryoko

フェアウェル さらば、哀しみのスパイのRyokoのレビュー・感想・評価

4.0
ジャケットの右側の人の面構えがインパクト大で気になっていた作品。この右側の人は、冷戦末期のKGB大佐グレゴリエフ、通称フェアウェル。このお顔からして失礼ながら悪い役かと思っていたら、息子の将来を憂う家族思いの良き父さんでした。
彼が西側諸国に機密情報を流したことにより、ソ連の諜報活動が弱体化、さらにはソ連崩壊へと繋がったとされている「フェアウェル事件」を描いた作品です。
歴史を動かした事件ながら、その主役となった人物たちは、ごくごく普通の人間に描かれている。情報を受け取る役のフランス人技師(ジャケ左側)は諜報活動に関わっていることにさえはじめは自覚していなかったというのにも驚かされる。そして、スパイ活動の成否が国家の行く末を左右していたことがよくわかり面白かった。
時の権力者、レーガン、ミッテラン、ゴルバチョフなども少しだけ登場します。けっこう似てる。
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