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フェアウェル さらば、哀しみのスパイのemediaのレビュー・感想・評価

3.8
スパイとは愛国心と忠誠心の塊であって
選ばれた者が機密情報を奪い合う
研ぎ澄まされた人間が命を賭けて

ここに出てくる男は
上司に用を頼まれて伝えにきただけ
家族を伴ったサーカスの合間に
「車のドアが開けっ放しかも」
こう言って数分間の任務につく
メッセンジャーのように登場する

買い物を頼まれたりの遣いっ走り
車窓から書類を誤って飛ばしたり
緊張感とは程遠い一般人なのである

故に至って自然に振る舞い
疑われることもないというわけで
野っぱらでQueenを真似たり
極々なんでもない一般人である

家族を騙すことにも耐えられず
「もう止める!うんざりだ!」
こう言ってのける一般人なのである

憲兵がいて家政婦もスパイだったり
自宅であっても心が休まらないが
敢えて手なづけるという手段に出る

KGB幹部のコードネームはフェアウェル
一般人は話し相手となって亡命を勧める

ソビエト社会主義共和国連邦
息子の歩むべき人生のために
祖国の国家機密をフランスへ手渡す
もう直ぐ全てが終わると知って
父と息子の熱い固い抱擁に胸が痛い

任務を終えた一般人を
「ニューヨークは歓迎する」という
ウィレム・デフォーがキリッと格好いい


ミハイル・セルゲーエヴィチ・ゴルバチョフ
ソビエト連邦及びロシア連邦の政治家で最高指導者


ロナルド・レーガン大統領
自由を抑圧し対外膨張を図る国家として非難
ソビエト連邦を「悪の帝国」と呼んだ
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