ポンコツ娘萌え萌え同盟

時は止まりぬのポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

時は止まりぬ(1959年製作の映画)
4.0
圧倒的な萌えと、激エモ映画。
白銀の雪山の世界の中、ダム建設の為に監視員として小屋で生活する中年の男。仲間内が下山して一人になってから時計の秒針の音がカチカチと聞こえるほど、淡々とした雪山での生活を送っていた。
そん中に測量士の代わりに来た若い青年の登場してから、世代も価値観も違う二人の交流。物音含めて二人の日常の細部から物語の進行における距離の取り方が絶妙。

序盤の二人こそ言葉数は少なく会話はぎこちなさを感じるも、映像構成や二人の動作、反応まで心情を表しているのが楽しいし、中年のナターレ・ロッシの表情と反応が一々かわいい。
外窓から小屋の中を映し、互いに入れ替えする中で小屋内での動きとか笑ってしまった。 

対してロベルト・セヴェソが雪で人型の跡をつけるところとかもかわいい。
だけど二人の反応が活きた場面だとチェッカーゲームでのやり取りとかも外せない。あの場面の互いの顔と手を映した映像構成と反応が楽しくて個人的には本作で特にお気に入りの場面。

そして丁寧に心情と距離を描いたところでの小屋の停電。普段は美ししい一面の雪景色のロケーションが、一気に強風が吹き荒れる白と黒が混濁した恐ろしいの雪山の夜。眠りにくい夜のロッシとセヴェソの二人の会話とロッシの優しさがたまらなく尊い。
恐ろしい夜が明けて再び美しい雪山の姿と二人がおぶる姿を見届けて非常に後味の良さと、気持ちよく見終えた感覚は久々だった。