ゆう

オトンのゆうのレビュー・感想・評価

オトン(1969年製作の映画)
4.3
まさかジャン=マリー・ストローブまで今年逝ってしまうとは

自分はあまりストローブについて理解しているとは思わないがオトンを一緒に見た立命館出身の哲学学科に通っていた秀才は気が狂うほど好きだったらしいが、絶対ストローブが好きだなんて周りに言いたくなかったよう

なぜかアテネフランセが定期的にめっちゃ推してるよね。あの硬い椅子は地獄

ベストは雲から抵抗へ

だけど本作は確かにヤバいよね。
粗削りで、通常カットするような部分をストローブ=ユイレはめっちゃ過剰に撮るんだよね
移動ショットもジャンブリカールも2005年ヨーロッパの過去革命が行われたみたいな語りとともに永遠ループするパンはめっちゃ苛烈。

あとはこの人ほどカメラの眼差しは一つしかないっている人もいないかも
パンにしろ360°にしろ専売特許じゃないけど常にショットとはその視点の核以外あり得ないのだと思っている感じがする。
カット割りも出来るひとなんだけどね、でも芯では切り返しなどあり得ないと思ってると思う

だけどセリフは忠実に、流石に私も背景の歴史は分からんが純粋に画面に向き合った作家だと思います。

シネマテークで学生向けに連続講義をやったものの分からな過ぎるのか、きつすぎたのか何十人も参加していた学生が最後ほぼ残らなかったエピソードが好き。

ペドロコスタのドキュメンタリーでめっちゃ夫婦で喧嘩しているのも好きだし、シチリアで数センチのショットをどうこう言っているのも好きだった
シチリアのカメラはルプチャンスキーだったと思うけど、ドワイヨンがゲストで学校に来校してくれた時にドワイヨンも同じことをルプチャンスキーに指示していて少なくともこの二人は気が狂っているという印象が今でも

ほんとに信じられん。
ゆう

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