ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演のホラーミュージカル……では無く、イギリスBBC制作のTVムービーです。
間違えてレビューされている方が多数おられますが、此方には邦題に「フリート街の」が付いていません。
19世紀以降、イギリスの舞台や小説で数多く取り上げられている、18世紀に実在したとされる連続殺人鬼の物語。
温厚で物静かな理髪師が、カミソリで客の喉を切り裂き、死体を解体して愛人が作るステーキパイの具にしていた……と言う話しなのですが、実はこの話し「切り裂きジャック」とは違って、実際に有った話しでは無く、当時の人々が生み出した“都市伝説”が合わさって出来たフィクションだそうです。
この当時の理髪店は今とは違い医療機関でも有った為、怪我の治療や薬の処方も行っていました。そこからカミソリで喉を切り裂くと言う話しが生まれ、肉パイの肉は人肉と言う話しが合わさって、スゥイーニートッド誕生となったわけですね(笑)
映画は、トッドの半生を描いたドキュメンタリー風に展開し、派手なシーンは無くエログロも控え目ですが、文学的な良作でした。