不在

ポンヌフの恋人の不在のレビュー・感想・評価

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)
4.0
舞台となる橋もほぼセットだし、雪もニセモノ。
もちろん、役者たちもホームレスではない。
しかしこの映画は凄まじいリアリティを放っている。
そんな中で、パリの街から恋する2人しかいなくなるファンタジーのような描写、例えば自分達だけ小さくなる場面や狂乱の花火シーンが、その徹底したリアリズムとの強いコントラストとなって、脳裏に焼きつく。

ラストのミシェルのセリフは公開当初は「目覚めよ、パリ!」だったそうだが、どうやら誤訳だったようで、「まどろめ、パリ!」に直されているらしい。
誰もが眠る夜のパリを生き、そこから去る時に言うセリフとしては、前者の方が相応しい気がするけど、誤訳なら仕方ない…。
不在

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