アンソニー

ポンヌフの恋人のアンソニーのレビュー・感想・評価

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)
4.1
ホームレスという境遇と
破滅的で衝動的な愛というのは
とても相性が良いように思えました。

アレックスの行動は
少し頭の良い動物のような印象。
確かにそうすればミシェルは隣に
いてくれるかもしれないけど
他の問題は全く考えてないあの感じ。
理性で抑えきれてないところが
トゲトゲしく荒々しいんだけど
純粋で真っ直ぐに思えます。
無農薬だから形の悪い野菜みたいな?
ちょっと違うかも。

それに比べてミシェルは人間的。
絵を描くことも人間らしいし
犯行も計画的に行うし
言うなれば我々側。
「正反対な二人が同じ環境に身を置く」
王道なフォーマットでありながら
ホームレスというスパイスが
より個性的で魅力ある作品に
昇華させてるなと思いました。

演出も構図も素敵で最高でした。
3部作の中では一番観やすいと
思いました。
オススメです。