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Praejusios dienos atminimuiのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

Praejusios dienos atminimui(1990年製作の映画)
4.5
題名の『過ぎ去った日々の記憶の中で』が全てを示している傑作。リトアニアの鬼才と呼ばれつつ最近は微妙な感じになっているシャルナス・バルタス。彼のキャリアはValdas Navasaitisと共に監督したシベリアの奥地で暮らすトファ人についての短編ドキュメンタリー『Tofalaria』から始まる。しかし、どこ探しても見当たらないのでそっ閉じして次の監督作品であるこっちから記念すべきマラソンを始めようと思う。

重要なダイアログが一切含まれず、普段の生活と街の情景をスパッと切り取る、所謂"エンドレス"に観られる系映画。他にはジョナス・メカスの『As I Was Moving Ahead Occasionally I Saw Brief Glimpses of Beauty』などがある。ブリューゲル父の『雪中の狩人』との親和性がヤヴァイ冒頭からグッと観客を引き込み、工場へ入る整列した男たち、螺旋階段、トンネルの出口で会話する女性たちを暗闇から(このショット天才的)、料理する女性、ゴミ処理場、ピアノを弾く老人などなど。ボロボロの操り人形を雪の中で整備するシーンとラストの流氷が本作品のハイライトだが、基本的に全シーンがキマリにキマっている。
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