たむ

リベリオン ワルシャワ大攻防戦のたむのレビュー・感想・評価

3.4
『聖なる犯罪者』『ヘイター』で大注目のポーランドのヤン・コマサ監督がその2作の前に製作したワルシャワ蜂起を描く大作です。
デビュー2作目で、ワルシャワ蜂起70年の作品を任されたのですから、本国ではかなり早い段階で将来を期待された監督だったことがわかります。
ワルシャワ蜂起といえば、アンジェイ・ワイダ監督の『地下水道』などがありますが、本作はワルシャワ蜂起の前を青春映画として丁寧に描き出します。
その後のソ連軍がポーランド手前まで侵攻しながら、まさかの進軍を止めてしまう。
3日間で終わるはずの蜂起が2ヶ月以上の大戦闘へと長期化し、その中で凄惨さは増していきます。

市街戦の恐ろしさを描き出し、たくさん戦争映画は観てきましたが、空爆後に血とバラバラになった手足が雨のように降ってくるシーンは初めて見ました。
このシーンのインパクトが非常に大きいです。
その一方で、スローモーションで銃弾がかすめる中でのファーストキスシーンやダンスパレードのようなシーンもあり、若干リアル志向からは外れた映画でもあります。
地下水道で押し潰されそうになる悪夢のシーンも恐ろしくヤン・コマサ監督のその後の大活躍を思わせるシーンでしたね。
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