MasaichiYaguchi

僕だけがいない街のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

僕だけがいない街(2016年製作の映画)
3.3
本作は、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」シリーズ、「12モンキーズ」、「バタフライ・エフェクト」、近年だと「ミッション:8ミニッツ」、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」に連なるSFタイムリープ映画。
主人公・藤沼悟は売れない漫画家で、ピザ屋のアルバイトで生計を立てている。
彼は「再上映(リバイバル)」という特殊能力を持っていて、直後に起こる事件や事故を回避するまで何度も同じことを繰り返す。
作品自体の設定は「バタフライ・エフェクト」を彷彿させ、意識だけが過去の自分の体にタイムスリップしていく。
だから映画で主人公が1988年に飛んだ時は、意識はそのままに体は小学生になってしまう。
成人になっている2006年と、過去にタイムリープして小学生に戻ってしまった1988年という二つの世界で、主人公は最悪の事態を回避し、掛け替えのない人々を救って明るい未来を勝ち取ろうと奮闘する。
その姿は彼の描くヒーロー漫画の主人公のようだが、現実的には切なさや葛藤を帯びている。
この主人公を若手演技派の藤原竜也さんが演じているが、何度も失敗して挫けそうになりながらも諦めず、挑み続ける姿に共感を覚える。
そして、そんな主人公を信じ、献身的にサポートするアルバイト仲間の片桐愛梨役の有村架純さんがキュートで魅了されてしまう。
原作のタイトルでもある「僕だけがいない街」の意味は、何か希望と優しさが感じられるラストで分かります。