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あまくない砂糖の話のYYamadaのレビュー・感想・評価

あまくない砂糖の話(2015年製作の映画)
3.7
【ドキュメンタリーのススメ】
あまくない砂糖の話 (2014)

◆ドキュメンタリーの種類
製作者の視点でテーマを掘り下げる
「遂行型」
◆描かれるトピックス
砂糖が人体に及ぼす影響について

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・低脂肪ヨーグルト、穀物バー、フルーツジュースといった一般的には健康的とされているが、実は大量の砂糖を含んでいる食品群を60日間食べ続けると、人間の心と体はどうなるのかを実験。
・60日間のルールは、シリアルやヨーグルトなどに含まれている砂糖を1日にスプーン40杯分摂取すること。この実験を通じ、砂糖が心身にもたらす影響や、身近な食品に含まれている砂糖の危険性などの問題が明らかになっていく。

〈見処〉
①60日間、砂糖を食べ続けると、
 体はどうなる?
・『あまくない砂糖の話』(原題:That Sugar Film)は、2014年にオーストラリアにて製作されたドキュメンタリー映画。監督は、被験者となるのはオーストラリアの俳優デイモン・ガモー。
・本作は、1日の摂取エネルギーを実験前と同じ2300kcalに押さえつつ、一般的に「健康に配慮している」と思われているシリアル、低脂肪ヨーグルト、ビタミン飲料にて「角砂糖40個分=160g」の砂糖を60日間摂取し続ける様子を軽妙なタッチで描いている。
・デイモン・ガモーは、本作製作にあたって、2004年に公開された『スーパーサイズ・ミー』を参考にしたそうだ。

②本作で語られるエピソード
・ヒュー・ジャックマン、砂糖の歴史を語る
・砂糖摂取と躁鬱
・アボリジニを滅ぼす炭酸飲料
・スムージーは加糖の権化
・ケンタッキー州とマウンテン・デュー中毒。
・ジュースは虫歯培養液
・「美味しさ」をもたらす糖分の量「至福点」
・シェイクを飲みながらMRI脳検査
・コカインより怖い砂糖の中毒性
・実験開始12日目: 体重+3.2kg
・18日目: 脂肪肝の一歩手前に
・60日目: 体重+8.5kg、体脂肪+7%、ウエスト+10cm

③結び…本作の見処は?
ダイエット中の自分にとって、大変参考になる作品でした
◎:「ダイエットにカロリー・カットは関係なし」…同じカロリーでも、糖質摂取の増加がもたらす人体の影響を明らかにしてくれる大いなる実験。体重増は、運動や食事の量ではなく、食べ物の質にある。
○: CGやアニメーションを駆使した映像、寸劇により、娯楽作品としても優れた演出をみせるドキュメンタリー。
▲: 実験開始前のガモーの食事の栄養比率は「脂肪50%、タンパク質26%、炭水化物24%」。超健康な成人男性による、少し悪めの食生活に変えた結果を鵜呑みにしてよいのか、かなり微妙。米食文化の日本人の炭水化物(=糖質+食物繊維)比率は、平均でも50%を優に超えており、この実験結果を見ると、カレーライスを口にするのがおぞましい。
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