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ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏のodyssのレビュー・感想・評価

3.0
【ボリショイ劇場の内紛】

世界最高峰のバレエを提供しているロシア・ボリショイ劇場のバレエ団。
だが2013年、かつてのスター・ダンサーでその後この劇場の芸術監督に収まっていたセルゲイ・フィーリンが何者かに硫酸を浴びせられるという事件が起こった(致命傷にはならなかった)。
この事件と背景に迫ったドキュメンタリーが本作。

事件後、政府は新総裁にウラディーミル・ウーリンを任命する。ウーリンは政府が口出ししないという条件をつけて受諾し、多数のダンサーとスタッフを抱えるボリショイ劇場の改革に乗り出す。

セルゲイ・フィーリンの芸術監督時代には、誰がどの作品に起用されるかなどについてダンサー側にかなり不満がたまっており、それが事件の背景になっていたらしい。ただし事件の詳しい真相や犯人については明らかにされていない。

最後で、フィーリンが芸術監督を解任される(ただし何らかの形で劇場に残る)という情報が示されて映画は幕となる。

ボリショイ劇団の練習風景や公演の裏舞台も映されているし、内部事情が多少は分かるので、それなりに面白いが、事件の完全な究明という点では物足りなさが残る映画だろう。
もっとも、フィクションだと名探偵が謎を究明して幕となるのだが、ドキュメンタリーだからこんなものなのかも知れないが。
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