グラッデン

プラネタリウムのグラッデンのレビュー・感想・評価

プラネタリウム(2016年製作の映画)
3.6
第二次世界大戦前のパリを舞台に、降霊術を扱う姉妹とそれに魅せられた男の物語を描いた作品。

鑑賞後、本作のテーマは「見えないものを見る」だと思いました。本来は見えるはずがない死者の姿を生者に見せることで姉妹にスピリチュアリズム、神秘性が与えられ、そこにパトロンとなるプロデューサーが大いなる野心を見出すこととなります。

冒頭よりギリギリのバランスで維持されていたものが崩れ去り、そして古き良き回想として語られることもまた、見通すことが出来なかったからかもしれません。

姉妹は本当に死者の姿を見せることが出来たのか?姉妹の内心はどうだったのか? など、鑑賞者たる我々も同じように多くの事実が明らかにならなかったことで「目に見えないものを見よう」としたと思いました。

この他、ナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップが演じる姉妹が本当に素敵。様々な風貌の変化からナタリー・ポートマンの様々な魅力は存分に引き出す一方、リリーが演じる降霊術を駆使した妹の純真無垢な演技の組合せが大変素晴らしかったです。