このレビューはネタバレを含みます
良い意味でオーソドックスなコメディかと思いきや終盤、かなり重いものを突きつけてくる。
ピエトロは助かったのか、「奇跡」は起きたのか、それは観た人の解釈に委ねられている。
ピエトロの手術中、二人でリノベーションしてきた古い教会の仕上げを黙々とするトンマーゾ。
美しく蘇った教会の椅子の上でトンマーゾの携帯が鳴り続ける。
次のシーンではトンマーゾが、かつてピエトロと二人で眺めた湖を、一人で眺めている。
このとき既に彼は手術の結果を知っていたのか、まだ知らなかったのか、それは皆が知りたいところだと思う。
梨が重量に耐えられなくなり落ちる。
以前「あれも神の御業だって言うんだろ」と言いながらピエトロと笑い合ったことを思い出してか、微笑むトンマーゾ。
これは私の個人的な解釈だが、今やかけがえのない友人となったピエトロが亡くなったことを知りながら微笑むことができるほどの境地には、トンマーゾは至っていないと思う。
トンマーゾは、ピエトロの命が救われたことを知っていた。
または、結果を知らなかったけれど、落ちた梨に神からのメッセージを読み取って微笑んだ。奇跡が起きたというメッセージを。
私はこのふたつのいずれかだと思う。