リッキー

イーグル・ジャンプのリッキーのレビュー・感想・評価

イーグル・ジャンプ(2016年製作の映画)
3.6
990本目。190329
『参加することに意義がある』のか?

「キングスマン」のタロン·エガートン主演で撮った作品なので、独特な(クセが強い)印象の作品かと思いきや、実話ベースの「クールランニング」スキージャンパー版といった感じの真面目な作風でした。

主人公エディ·エドワーズは幼いころからオリンピックの選手になるという夢を抱いていましたが、運動音痴のため、何一つものになる種目がありません。
そんなある日、エディはスキージャンプに魅かれてしまいます。当時のイギリスにはスキージャンパーは存在しなかったので、彼が代表選手になる可能性も十分ありましたが、素人がジャンプ挑むという無謀な思いつきに、母以外誰も賛同してくれません。

それでも夢にまっしぐらな彼は単身ドイツに渡り、国際スキー強化合宿に参加します。彼にはコーチもいないため、他の選手のジャンプを観察し、見よう見まねでジャンプしてみますが、一向に上手くなりません。
彼が悪戦苦闘している様子をスキー場の整備人である一人の男が見ていました。その男とは元アメリカ代表のスキージャンパーのブロンソン ピアリー(ヒュー·ジャックマン)で、彼は絶頂期に女性とアルコールにはまり、コーチから三行半を突き付けられ、競技から離れていたのです。エディにコーチ就任を懇願され、エディの怪我を恐れずに必死に取り組む姿勢を見て、かつての情熱が甦り、二人でオリンピックの挑戦を始めることになりましたが…。

本作品を鑑賞後は、最近の私のオリンピック観戦の姿勢を批判されているように感じました。
本来のオリンピックのあり方は、結果よりも、スポーツを通して文化や国籍などの違いを越え、平和でより良い世界を目指すことです。子どものころは純粋に競技する選手すべてを応援していましたが、大人になるといつのまにか結果を重視してしまい、 メダル候補者ばかりに注目し、それ以外の選手とは明らかに熱の入れ方が違っていたことを自覚しています。
これらを反省して、すべて公平に観たいのですが、観戦できる時間の制限やテレビ局の意向による放映のため、なかなか難しいように思えます。やはり会場で観戦しないと体感できないのかな。東京オリンピックはできるだけの競技を生で観戦したいものです。

余談ですが、本作を鑑賞してキャプテン翼の作家の高橋陽一が少年ジャンプで掲載した[100mジャンパー」を思い出しました。サッカー漫画家が何ゆえにスキー漫画!と驚愕したことを思い出しました。技術的な内容は皆無でしたが、意外に面白かったことを覚えています。
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