kkkのk太郎

ジーサンズ はじめての強盗のkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

2.9

このレビューはネタバレを含みます

銀行の不義に怒りを覚えた老人3人が強盗を企てるという犯罪コメディ。

主人公の一人で陽気な老人、ウィリー・デイビスを演じるのは『ショーシャンクの空に』『ダークナイト』トリロジーの、レジェンド俳優モーガン・フリーマン。
主人公の一人で強盗の首謀者でもある老人、ジョー・ハーディングを演じるのは『ダークナイト』トリロジーや『グランド・イリュージョン』シリーズの、レジェンド俳優サー・マイケル・ケイン,CBE。
ジョーの孫娘、ブルックリン・ハーディングを演じるのは『ラブ・アゲイン』『死霊館』のジョーイ・キング。

1979年の映画『お達者コメディ/シルバー・ギャング』(すごい邦題だっ💦)のリメイク作品。このオリジナル版は未見。

モーガン・フリーマン×マイケル・ケイン×アラン・アーキンというオスカー俳優に加え、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクでお馴染みクリストファー・ロイドまで出演しているという、超豪華&超高齢キャストな一作。
ここまでスーパーな俳優を揃えたのだから、さぞかし素晴らしいドラマが展開されると思っていたのだが…。

うん!ここまで語ることが見当たらないフニャチン映画、久しぶりに見た!😆
税金対策で作ったとしか思えない、驚くほど見応えのない映画。
派手なVFXもなければ特別なロケも行っていない。さぞ低予算映画なのだろうと思い調べてみると、制作費に2,500万ドルも掛かっている。これほとんど俳優のギャラだろ絶対!!

デ・ニーロとかリーアム・ニーソンとか、一流俳優がヘンテコB級映画に出演することってままありますよね。
こういう時の演技って、露骨に手を抜いているのがわかるというか、手癖で演じてます感がすごい伝わってくるのだけれど、今回のレジェンド俳優たちの演技もまさにそれ。
よく言えばプロに徹している、悪く言えば業者仕事ってことになるだろうけど、モーガン・フリーマンやマイケル・ケインの演技の抜き方がすごい😅仕事でやってます感がひしひしと伝わってくる。A級作品に出演している時とはまるで力の入り方が違う。
この肩の力の抜け具合が心地良いといえばそうなんだけど、そういう映画ってわざわざ時間を割いてまで観るもんじゃないよな…。

高齢者の貧困や消えた年金など、社会的な問題を扱った作品である。邦画だと『万引き家族』(2018)と描いていることは似ているのかも。
日本でこういう問題を扱った映画を作ると深刻になりがちだが、本作にはそんな深刻さはカケラもない。終始コメディタッチで描かれているし、エンディングも絵に描いたようなハッピーエンドである。
お気楽すぎるのもどうかと思うが、ストレスフリーで鑑賞出来るという点において本作は優秀。ランタイムも96分とちょうど良いので、なんとなくダラっと楽しむ分にはオススメ出来るかもしれない。

2023年現在、マイケル・ケイン90歳、アラン・アーキン89歳、モーガン・フリーマン86歳、クリストファー・ロイド84歳。みんな未だに現役である。控えめに言って化け物。
ハリウッドのジーサンズは元気だが、今回の日本語吹き替えキャストである坂口芳貞さん、有本欽隆さん、穂積隆信さんは鬼籍に…。存命なのは糸博さんだけ。なんとも寂しい😞
穂積さんが演じるクリストファー・ロイドの声を久しぶりに聞けて、なんだか胸いっぱいになってしまった。

※モーガン・フリーマンとマイケル・ケインが観ている映画は『狼たちの午後』(1975)。言わずと知れたアル・パチーノの代表作。
すごく古い映画なんだけど、よく考えてみるとこの2人ってアル・パチーノよりも年上なんだよね。ここ、先輩2人が後輩の演技を観ているという恐ろしい構図。
未だに現役…どころか83歳でパパになったアル・パチーノはもちろん元気すぎてやばいんだけど、そのパチーノよりも古株が未だ現役って、ハリウッドって時空が歪んでんじゃないの😅
kkkのk太郎

kkkのk太郎