GreenT

ビフォア・ウィー・ゴー(原題)のGreenTのレビュー・感想・評価

5.0
ニューヨークのグランド・セントラル・ターミナル。たくさんのストリート・ミュージシャンやパフォーマーがいる中で、ニック(クリス・エバンズ)はトランペットを演奏している。人影も少なくなった真夜中過ぎ、ニックはボストン行きの最終電車に乗り遅れたブルック(アリス・イヴ)と出逢う。

ブルックはダウンタウンのバーで置き引きにあい、持っているのはボストン行きのチケットだけ。だけど彼女にはどうしても朝までにボストンに帰らなければならない理由がある。ニックは行きたくないパーティがあり、ブルックが朝までにボストンに帰れるようにと、彼女を助けようとする。

ブルックは所持品全部失くして困っているけど、ニックは知らない人だから警戒しているし、ニックはブルックを気の毒に思って助けようとしているんだけど貧しいミュージシャンだから、みたいな駆け引きの中でなんか2人とも秘密があって、それが会話によってだんだん明かされていくという、あの伝説の『ビフォア三部作』のパクリと言ってしまえばそれまでなんですが、これなかなかいいですよ!グランド・セントラル・ステーションだけでなく、ダイナーやホテルやバーや、チャイナタウン、アップタウン、ダウンタウンなどなど、ニューヨークの町並みも、キレイっていうより「懐かしい」感じで描かれています。

私、結構クリス・エバンス好きなんですよね〜。自分で監督、主演、プロデュースまでして演じたい役って、どんな男なんだろう?って興味があったんですけど、久々に「映画の内容なんがどーでもいいから、この役者の顔のだけ見ていたい」と思うくらい、表情豊かな魅力的な男でした。

『スノーピアサー』で「ヒーローの独白」がすごい良くてファンになったクリス・エバンズなんですけど、この映画でも、6年前の傷心の別れを語るシーンが可哀想になりました。この人ホントに独白うまいですよ。

相手役のアリス・イヴも、最初はパッとしないなあ〜って思ってたんですけど、次第にクリス・エバンズとのケミストリーも生まれて、彼女の「独白」もすごいグッと来ました。

2人はお互い好きな人がいて、長い夜を一緒に過ごしているうちに、自分のプライベートな恋愛の話を打ち明けあってしまうんですけど、それを互いに励まし合うんですね。

その微妙な感じがうまいんですよ!2人は惹かれ合っているようにも見えるし、だけどお互いの恋愛事情が上手く行くことを心から願っているのも本当。勇気が出ない相手に「あなたの方が何十倍も魅力的よ!」って言うってことは、自分も相手に惹かれているわけじゃないですか?

こういう出逢いって、結構ありません?

ネタバレはコメント欄で!!
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