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SF新世紀レンズマンのsithmaroのレビュー・感想・評価

SF新世紀レンズマン(1984年製作の映画)
3.3
古典的なスペースオペラの映像化作品。
原作小説はスペースオペラの最初期の作品でもあり、この世のありとあらゆるスペースオペラに影響を与えたと言っても過言ではないだろう。
私は当時この映画を観に行きたかったが叶わず、直後に作られたテレビアニメシリーズからレンズマンという作品の世界観に触れ、後に原作小説も読んだ。

この劇場版はそのテレビシリーズや原作とはちょっと違っていたが、当時中学生だった自分を夢中にさせるには充分だった。
今思い出すと、原作よりもむしろ『スター・ウォーズ』の影響を多分に受けた作品だったと記憶している。
もちろん『スター・ウォーズ』には及ぶべくもないが、原作は逆に『スター・ウォーズ』にも多かれ少なかれ影響を与えていると考えると可笑しくはある。
当時VHSとLDでソフト化されたのみで、その後DVDでもBDでもソフト化されてはおらず、たぶん配信もないので「幻の作品」となりつつはある。
ある意味、後世の人気の無さが残念。

傑作とはおよそ言いがたいが、ヒロイックファンタジーの王道のようなストーリーなので決して駄作ではないと思う。
当時としては珍しいCGを多用した映像が斬新であり売りでもあったのだが、そっちに比重を寄せすぎて本編ストーリーや演出がややおろそかになってしまだた感も否めない。
ただ埋もれさせておくには惜しい作品ではなかろうか。

あと個人的にはメカニックデザインは決して古くささを感じさせない、秀逸なデザインだと思う。
とりわけブリタニア号はマニア向けに立体化してくれれば買ってしまうかもしれないくらいには好き。
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