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ドント・ブリーズの3104Arataのレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
3.5
<22年08月>
【終始ハラハラ!B級映画のような設定で一級映画の魅せ方!まさにアトラクション映画】
・2016年公開のアメリカのホラー&スリラー映画。
・教育を放棄された不遇な状況にあった不良少女ロッキーは妹を連れて街を抜け出すことを決意していた。その為に必要なお金を得るため、恋人のマネーと友人のアレックスと3人で、警備会社に勤務するアレックスの父の知識や鍵などを利用して、お金持ちの家から盗みを働いていた。ある日、自身の娘を交通事故で奪われた聴覚障害を持つ老人の家には多額の現金があるという情報を得る。3人は現金を盗もうと老人宅へ忍び込むも元軍人の盲目老人が侵入者の殺害をも厭わない恐ろしいことを知る。 という大枠ストーリー。
・製作にはなんとスパイダーマンの監督であるサム・ライミさんが加わっています。

[お勧めのポイント]
・ハラハラが止まらない!魅せ方がうますぎる
・最後まで飽きさせない二転三転する物語
・ジェイソンのような狂人が出ているわけではないリアルなのに恐怖が凄い

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[物語]
・冒頭の女性を引きずる老人から終盤の物語へのつなぎと展開。「どうなるの?!助かるの?助からないの?」という観ているこちらの心理に対して、とてもうまい仕掛けが施されていると思いました。
・緩急がすごいです。ドキドキの展開からピンチになり、抜けたと思うとまたピンチ。その繰り返しをマンネリ化することなく最後まで見せてくれる物語。
・また、冒頭10分で主人公3人の状況を説明する流れ、違和感なくサクッと入ってくる感じがしっかりした映画に感じます。

[演出]
・うまい、うますぎます。まさにクオリティの高いアトラクション映画そのもの。主人公の心情などは二の次で(でも物語を邪魔しない程度にわかりやすく入ってきます)、とにかく終始ハラハラさせてくれる。そこに徹されていた映画でした。
・たまにしかしっかりと見せない老人の顔。しかも、恐怖をあおる手前でしっかり魅せてくる。もはや「観客の恐怖を煽り方」を熟知した演出ですよね、いやぁ、これは怖かったです。
・完全暗闇での攻防は、まるでドキュメンタリー調。そんな演出に新しさを感じつつ、そこで見える老人の顔が恐怖でしかないです。

[映像]
・冒頭の引き画から寄っていくと老人が女性を引きずっている。このシーンは、家でTVで観たって「まさに映画だ!」と思いましたから、映画館で観た時のワクワクを想像すると凄いです。
・完全暗闇の攻防のシーンは、なかなか観ません。このシーンを映像化するチャレンジが、新しさと恐怖を感じれてよかったです。

[音楽]
・金切り調が混ざったBGM。それが物語の効果音とうまく混ざり合ってより恐怖を煽ってくれます。安定のBGMでした。

[演技・配役]
・盲目の老人役であるスティーヴン・ラングさん、怖すぎます。笑 しかも、盲目というハンデがある仕草と突然軍人ぽい強さが出る仕草、このバランスが絶妙。盲目というハンデの仕草が、決して何でもできる狂人ではなく、普通の人間であることを理解させてくれるので、よりリアリティが増します。

[全体]
・B級映画のような設定なのに、A級映画。そんなイメージでとらえました。魅せ方のうまさが一級品。設定だけ聞いていたら、よくあるB級映画、のように思っていましたが、中身は似て非なるもの。観てよかった、と思える一作です。
※一点だけ、タイトルの「ドント・ブリーズ(息をするな)」がイマイチしっくりきませんでした。笑
・しかも、ジェイソンのような怪物や狂人が出てくるわけでもなく、至って普通の人を恐人に魅せるところが素敵です。・2が出ていること(盲目の老人がまた出ること)を知っていたので、ラストがどうなるのか、かなりワクワクしました。そして、結論、おおむね気持ちよく落としてくれたなぁ、と思います。
・人生における哲学や何かを得られる映画ではないですが、思いっきりにハラハラしたい、そんなときに観たい映画でした。ありがとうございました。

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