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ドント・ブリーズのmovieJackのレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
3.8
2017年劇場鑑賞一作目に相応しく
劇場鑑賞が
より価値のある今作

ホラーのアトラクション的に暗闇から何か飛び出したり
ビックリさせられ心臓に悪いやつでしょって勝手に想像していたが大きな間違いであった

アメリカ デトロイトならではの
寂れた街の貧困感とキャラ設定を
男を連れ込んだ母親が娘に対し
「◯ェラで稼いでるんだろ」との上手すぎるジェスチャーで簡潔明瞭に表現し

また自動車産業の衰退により荒廃した街に残る唯一の住人という設定は銃撃音も気にする必要がない

限られた空間(家内)で攻守のシーソーゲームがテンポ良く進むストーリー展開
観客も息を潜めさせるような演出と必要最低限の効果音にグイグイと引き込まれ目が離せず
「サウルの息子」以来の肘掛けに置いたドリンクの存在を忘れてしまう程の没頭

視覚障害者故の弱さと強さ
見付かりそうで見付からないバランス
深夜故の暗闇感による画面の暗さ・色合い・画面切り替え
適宜な顔面アップ使い等々非常によく考えられて
また犬使いも良くて最後の最後まで緊張が持続するように上手く作り込まれており
シンプルでありながら発想力の高さと
低予算をテクニックでカバーする手腕に感心し唸らされた

冬休みで学生位のカップルが多く目についたが
あの次第に露になるサイコ感や
スポイトによる一連のシーンはカップルには少し気まずいと思われ
RHYMESTER宇多丸さんが話されていた
隣の女性が「にがっ‼」って思わず言ったとのエピソード…
若いカップルの初デートなら相当凹むだろうな…(笑)

また緊張感と無音時間が長くて
ポップコーン等を食べられる状態ではなく
もし食べていて暗闇から隣席の舌打ちが聞こえると
そちらのサイコ野郎にもヒヤヒヤしなければならなくなり
一気に4D鑑賞となってしまう可能性大です…
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