大好きな黒沢清監督のサスペンスで前からチェックしてたのですがやっと鑑賞できた。
犯罪心理学に詳しい刑事(西島秀俊)が人質を取った犯人(サイコパス)の説得に失敗し自らも刺されるという失態から1年後の話。犯罪心理学の大学教授に転向した主人公が引越し先の奇妙な隣人(香川照之)と関わるようになってから徐々に妻(竹内結子)の様子がおかしくなっていくのだが…
タイトルで思い切りネタばれしてるけど、そんなことは気にならない。むしろ予想通りな展開なのに一時も目が離せない。
やはり、この監督の作品は一筋縄ではいかない魔力のようなものを感じるよ。
特筆すべきは香川照之の怪演。とにかく気色悪い。こういう作品に多い、あっけらかんとした完全にネジが飛んでしまってる犯人像の大胆な行動。大胆ゆえ、何故真相に辿り着けないのか?というイライラと警察の単独行動の為にあっさり罠にハマるもどかしさ。
こんなイライラが評価を下げてるのかもしれないなと思いつつ、完璧にそのもどかしさの罠にハマっている自分もいる。
黒沢監督ならではの、この陰鬱な雰囲気と世界観ともどかしさは唯一無二ね。『キュア』ほど傑作ではなかったけども。
季節外れの布団の真空パックはよくやりますが、まさかアレを真空パックするとはね…