てりり

クリーピー 偽りの隣人のてりりのレビュー・感想・評価

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)
4.2
生理的な違和感、生理的な嫌悪感、根本からの認知の齟齬、等を人々に感じさせる何かを、人は“怖い”と思うのだと思うのだけれど、そういった存在を描き伝えることの傑出している人こそが、黒沢清監督だと思う。
「クリーピー」は過去の大傑作「CURE」「蛇の道」等に肉薄する違和感を以って存在しているし、確かに、実際、香川照之という“怪演の稀なる体現者”がそこには居て、何の気なしに存在してる、信じてる世界を持った全ての人の安らぎを、どうしようもなく討ち滅ぼしてくれてしまう。
怖れは人間の未来を失わせてしまうことそのものだと、この映画は証明しているのだと思う。
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