不気味な雰囲気を楽しむのには最高な映画。
トレーラーをちゃんと見ていなかったからか、隣人がおかしな人だということ以外は事前知識がない状態で鑑賞した。
そのため、序盤は、導入のシーンや、川口春奈が関わる、日野市の事件がどのように関係するのかを考えて観るのがおもしろかった。
中盤以降は、父親でないという(そういえば、これはトレーラーであった)セリフもあり、ほとんど想定通りの展開が続くため、香川照之の怪演をドキドキしながら追っていくことになる。
少し尻つぼみ感があった。
ただ、黒澤監督の作る不気味な画はとても独特でとてもよかった。
特に、序盤の平行移動で撮られる移動シーンや、随所に見られる、固定カメラによる、ズームや出演者のフレームアウト、照明を上手に使用した明暗付けなど、どことない不気味さが常に漂っていた。
特に、川口春奈に記憶を蘇らせようと質問するシーンの、ロングテイクの迫力はすごい。
ミイラ化された死体が出てくるシーンで、となりの女性が目を伏せていたけれども、そんな死体に象徴される、全てが気持ちの悪い映画であった。
