かえで

すれ違いのダイアリーズのかえでのレビュー・感想・評価

すれ違いのダイアリーズ(2014年製作の映画)
4.3
ロマンチックで愛おしくてあったかい、本当に素敵な作品でした。

僻地の水上学校へ赴任したダメ教師のソーンが、教室に残っていた前任教師・エーンの日記を見つけ、次第に心惹かれてゆくストーリー。
前情報を何も入れずに観たのでてっきりラブストーリーかと思っていたら、それだけではない、教師と児童の心の交流がかなり密に描かれ、学校モノとしてもすごく楽しめる内容。なんだかちょっと「二十四の瞳」を思い出した。あと、タイの綺麗な景色の魅力が存分に発揮されていて旅行にも行きたくなる!ソーンとエーンのすれ違いを表現する映画の構成も面白い。

手書きの文字って本当にいいなあ。会ったことのない遠くの誰かの発する言葉を見たり共感したり意思疎通したり、SNSが発達した昨今、それは誰にでも簡単にできるようになったけれど、手書きの文字と比べるとそれはもう伝わり方や印象が全然違う。手書きの威力はすごい。
忘れていった日記を誰かに読まれるなんて、自分だったらもう恥ずかしさのあまり顔から火が出そうだけど(笑)、日記って心の一番奥のデリケートで正直な気持ちの表れで、それを読んで、共感して、惹かれて…という相手は本当に理解し合える相手だと思う。会ったことのない誰かと励まし励まされて、心が通じて。あり得ないけどこんな出会い、なんてロマンチックなんだろう。日記は無いとしても、せめて誰かと文通したりしたいなあなんて思いました。

ちなみに、ヌイ役の俳優さんが工藤阿須加くんに見えてしまった(笑)
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