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永い言い訳のmiporingoのレビュー・感想・評価

永い言い訳(2016年製作の映画)
3.4
『すばらしき世界』を観たので、西川美和繋がりで観た。失って初めて大切さを知るというのは切ないけれど自分がその相手に対してどういう存在だったのかという、相手を知ると同時に自分自身を振り返る作業をも伴うのだということを感じた。
子どもたちとのやりとりも自然で、主人公が世話を焼いているようで実は自分も癒やされているところがよく描けていて良かった。
少し引っかかったのは、愛人の黒木華とはどういう関係性だったのかなということ。表面的な遊びの関係とも思えず、もしそうならミスキャストじゃないかなとも思うし、もっとわかりやすく軽薄さを出した方がいいと思う。少なくとも主人公にとって少しでも大切な存在だったのなら、あのまま全く連絡も取らずに終わることには不自然さを感じてしまう。罪悪感はわかるけれど、それならそれでもう少し深掘りが必要だったのでは。もし子どもたちに出会っていなければ、彼女がいちばんの彼の理解者であり癒しになり得る存在なのではないのかな。別れるのであれば、亡くなった奥さんの存在が彼の中で大きな位置を占めていて彼にとって自分は不要なんだと確信したときでいいと思う。っていうか、そこだけでまた別の映画が一本出来てしまいますね 笑
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