TMK

永い言い訳のTMKのネタバレレビュー・内容・結末

永い言い訳(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

人生は他者
妻を亡くしてから幸夫が初めて泣くシーン

他者と正面から向き合うのって、勇気がいる。自分をさらけ出し、相手のことも受け止める。
自分の中に相手の存在を囲って、都合の良いように解釈して、文句たれて、馬鹿にしてる方が楽だ。のらりくらりとかわして、見てくれよく生きる方が楽だ。

他人にはいくらでも上手いこと言える。相手を納得させる事も感動させる事も励ます事も言える。でも自分自身には、自虐的な事しか言えない。なんでだろう。逃げられるからだろうか。自分自身と向き合ってないからだろうか。
自分自身と向き合ってない人間が、他者と向き合えるわけがない。

幸夫はずっと誰かに真剣に愛される事を願ってた。自分が愛してないくせに、本当に傲慢で怠慢だ。

自分はクズなのに、子供といると浄化されてまともな人間に思える。確かにな。正しい人間だと思えてしまえる。上に立つって怖いな。

きっとまた観るだろう。ちゃんと生きるって難しい。
TMK

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